日本全国には様々なタイプの水族館があり、どこも独自の個性があるため「順位」を付けることは難しいです。
そこで当サイトでは、「利用者の数」(来館者数)という基準で、毎年の実績をランキング方式でご紹介しています!
来館者数は、水族館の良し悪しを判断する基準にはなりませんが、現状の公開情報としては最も客観的な指標の一つです。
今回は、2020年に発表された2019年度(令和元年度)の実績による最新版のデータを使ってご紹介します。
なお、全国の水族館の中から「公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)」に2019年度(令和元年度)末時点で所属していた53の水族館を対象としています。
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日本全国の水族館の来館者数ランキング2020(2019年度)
JAZAが発表している「年報」によると、2019年度(令和元年度)の来館者数が多い水族館のトップ10は以下のようなランキングになっています!
順位 | 都道府県 | 水族館名 | 来館者数※ | イルカショー |
第1位 | 沖縄県 | 美ら海水族館 | 約332万人 | 有り(隣接) |
第2位 | 大阪府 | 海遊館 | 約263万人 | 無し |
第3位 | 愛知県 | 名古屋港水族館 | 約200万人 | 有り |
第4位 | 東京都 | アクアパーク品川 | 約153万人 | 有り |
第5位 | 東京都 | サンシャイン水族館 | 約147万人 | 無し |
第6位 | 東京都 | 葛西臨海水族園 | 約127万人 | 無し |
第7位 | 神奈川県 | 横浜・八景島シーパラダイス | 約126万人 | 有り |
第8位 | 東京都 | すみだ水族館 | 約116万人 | 無し |
第9位 | 兵庫県 | 須磨海浜水族園 | 約104万人 | 有り |
第10位 | 兵庫県 | マリンワールド海の中道 | 約94万人 | 有り |
※来館者数は千人以下四捨五入
来館者数ランキング2020(2019年度)の簡単な分析
この年は、2月末から新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛や休館の影響が有り、動向が読みにくい状況でした。
1〜3位の水族館は順位に変化無しという結果になりましたが、昨年度とは若干の順番の入れ替えや新規ランクインがありました。
順番は違いますが、2018年(2017年度)と同じラインナップとなっています。
第10位のマリンワールド海の中道を除く1〜9位の水族館は、2020年3月にはほぼ1ヶ月休館となっていたことを考えると、来館者数としては上位層である水族館の日常的な集客力がいかに大きいかがよくわかります。
また、昨年度に第9位だった大洗水族館(茨城県)が対象から外れているのも、ランキングが変動した要因の一つです。
なお、この年度にはイルカショーが無くてもトップ10入りした水族館が4つあります。
以下では、ランキングされた第10位までの水族館について、2019年の動きも少しだけ触れつつ簡単にご紹介をします。
詳しいガイドは、リンクを張っている個々の水族館の記事もご参考にしてください!
来館者数ランキングトップ10の概要紹介
来館者数第1位:美ら海水族館(沖縄県)
昨年対比で10%以上もお客さんの数が減少したにも関わらず、不動の第一位を維持した美ら海水族館。
この年も、日本の水族館で来館者数が300万人に到達するのはここ美ら海水族館だけです。
美ら海水族館を象徴する大水槽をはじめ、美しい沖縄の海を臨むことから、サンゴ礁の海や熱帯の海をイメージした展示が多いのも特徴の一つで、模型なども使いながら楽しく学べる要素もあります。
ここでしか見ることのできないミナミバンドウイルカや、全国でも美ら海水族館とくじらの博物館(和歌山県)の二か所でしか見ることのできないシワハイルカなど、大型の希少な生き物と出会えるのも魅力の一つです。
サメに関する情報に特化した「サメ博士の部屋」や、様々な剥製などが並ぶ博物館のような「美ら海プラザ」など、観光ついでに知的な刺激も得られる美ら海水族館の魅力をぜひ感じてください!
来館者数第2位:海遊館(大阪府)
こちらは新型コロナウイルスの関係で3月はほぼ休館していたにも関わらず、前年対比で100%を超えるお客さんを迎えており、その集客力をさらに増していた海遊館が2位となりました。
世界最大の魚であるジンベエザメはもちろん、様々な種類のエイの仲間がまるで空を飛ぶように泳ぎ回る様子が特に見どころです。
展示の構造は「世界の海」を表しており、モントレー湾のカリフォルニアアシカやエクアドル熱帯雨林のピラルクなど、各地域をテーマにした生き物が展示されています。
通常展示だけでなく、日常的に企画展も行なっていますので、何度も足を運んでみてくださいね!
来館者数第3位:名古屋港水族館(愛知県)
来館者数が200万人を超える名古屋港水族館は、日本では二箇所しか観ることのできないシャチの公開トレーニングや国内最大級のイルカショーパフォーマンスが行われる巨大なスタジアムを含めて、北館と南館に分かれる超巨大水族館です。
また、最近は全国でも目にする機会の増えたマイワシのパフォーマンスも、名古屋港水族館が先駆けと言われています。
この年の4月には、ウミガメがぐるぐると泳ぎ続けたり、休憩できる場所のある回遊水槽がリニューアルオープンしました。
日本で二箇所しか見られないコウテイペンギンや、世界でも唯一となるナンキョクオキアミの展示など、名古屋港水族館ならではの展示がたくさんあります!
来館者数第4位:アクアパーク品川(東京都)
アクアパーク品川では、品川駅が最寄り駅とは思えないような大きなスタジアムで行われる「クジラ」やイルカ達のパフォーマンスが人気を集めています。
この年の7月には「イマーシブエリア」と呼ばれるコーナーでプロジェクションマッピングを大々的に使った演出が開始されており、前回からランクを一つ上げた要因にもなっています。
都会らしい水族館の魅力を追求し続け、若者を中心に、普段自然と触れる機会の少ない人たちにとって、生き物との貴重な接点となっています。
大きなエイの仲間などが泳ぐトンネル水槽や、ペンギン・カワウソ・アザラシ・オットセイなど、想像よりも広い海の世界が広がっています!
来館者数第4位:サンシャイン水族館(東京都)
前年度の2019年3月(2018年度)から展示をはじめたゾウギンザメが注目を集めたサンシャイン水族館。
夜間の営業時間には「性いっぱい展」など他の水族館では真似できないような攻めた企画にも果敢にチャレンジしました。
また、この年の5月にはバイカルアザラシの赤ちゃんの展示も開始するなど、生き物の繁殖に向けた取り組みも進めています。
都会型水族館でありながら、常に新しい一歩を目指して模索する姿が特徴的な水族館ですので、ぜひご注目ください!
来館者数第6位:葛西臨海水族園(東京都)
葛西臨海水族園は、東京都にとっての教育施設としての意味合いもある、学びの要素が多い水族館です。
大人は700円、小学生以下は無料といった破格の価格ですが、質・量ともに充実しています。
海外の水族館とも関係が深い葛西臨海水族園ですが、アメリカのモントレー湾を想起させるような巨大なケルプの展示がとても美しいのでオススメです。
この年には、建て替え計画と共に将来のイメージ写真なども公開されたことが話題となりましたが、これからも引き続き「東京の顔」として魅力を高め続けて欲しいですね。
来館者数第7位:横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)
6位の葛西臨海水族園とはわずかに5,000名未満の差で7位となった横浜・八景島シーパラダイス。
広い施設は大きく4つのエリアに分かれており、演出にこだわったイルカのショーパフォーマンス以外にも、ゆったりと空を見上げながらイルカの泳ぐ姿を見られる場所もあります。
ちょっとマニアックなウミウシに特化した展示コーナーや、食を通じて海や生き物の大切さを学ぶうみファームなど、学びの要素にも触れることができます。
1日かけてもじっくりと回りきれないほどポイントがたくさんあるので、ぜひ何度でも遊びに行ってみてください!
来館者数第8位:すみだ水族館(東京都)
2013年の登場以来、手堅く100万人以上の来館者を迎え続けるすみだ水族館。
屋内型としては日本最大級のペンギン水槽は、様々な角度からペンギンの様子を観ることができるのが特徴です。
また、こちらも日本有数の規模で見られる大量のチンアナゴなど、全体として展示される生き物の種類はそれほど多くないながらも特徴のある展示が魅力となっています。
都市型水族館としての空間演出やデザイン性などを意識したすみだ水族館ならではの雰囲気をぜひ実際に味わってみてくださいね!
来館者数第9位:須磨海浜水族園(兵庫県)
須磨海浜水族園は、テーマによって異なるたくさんの建物で構成される水族館です。
国内外の淡水魚に関する展示や解説が充実しており、この四方を囲まれるようなちょっと珍しいピラニア水槽では、餌をあげる時の様子が迫力を感じられてオススメです。
イルカやペンギン、アザラシなどの人気の生き物だけでなく、無脊椎動物の仲間や爬虫類・両生類など多種多様な生き物に出会うことができます。
この年には、建て替えを伴うリニューアルでシャチが来ることなどが話題となりましたが、全く別の水族館になることも予想されるため、ぜひ今のうちの姿も見に行ってみてくださいね!
来館者数第10位:マリンワールド海の中道(福岡県)
この年度の最後(2020年3月)には、新型コロナウイルスの影響を若干免れることのできたマリンワールド海の中道は、11位の京都水族館を若干上回り、2年ぶりのランクインとなりました。
ペンギンやアシカ、アザラシなどに出会える「かいじゅうアイランド」では、周囲をアザラシの泳ぐ海に囲われたような気分を味わえる「うみなかCUBE」が見どころとなっています。
各エリアでは、それぞれテーマに沿った様々な展示が行われており、中でも「九州の外洋」をテーマにした水深が約7mにも達する大水槽では、鋭い歯を見せながら泳ぐシロワニ(大型のワニ)やイワシの群れがとても魅力です。
「クジラ」も含めた多くのイルカの仲間に会えるのも特徴の一つですので、ぜひ色々な生き物に会いにきてください!
来館者数ランキング2020番外編
このランキングでは、データの正確性から2019年度(令和元年度)末でJAZAに加盟していた水族館を対象としているので、以下のような大型水族館が対象となっていません。
- アクアワールド大洗水族館(茨城県):過去実績約110万人(2018年度)
- 新江ノ島水族館(神奈川県):過去実績約180万人(2016年度)
- うみの杜水族館(宮城県) :過去実績約150万人(2015年度)
そのため、実際にはトップ10の順位も少し違った結果になっている可能性がありますのでご留意ください。
まとめ
新型コロナウイルスの影響でランキングにも変動が予想されましたが、結果的にはあまり大きく変わらず、多くの水族館で同様に影響があったのだと感じられました。
また、今回も対象水族館の変動によって、ランキングにも若干の影響がありました。
来年度は新型コロナウイルスの影響が長期的に生じており、今回以上に大きな変動があるかもしれません。
なお、毎年のことですが、「来館者の数」は周辺の人口や観光地としての立地、広告などの影響も大きいため、「良い」水族館を表すわけではありません。
来館者の数も一つのきっかけとしながら、ぜひあなたにとって一番の水族館を探してみてくださいね!
過去のランキングは↓をご覧ください!
[…] ちなみに海遊館は、水族館ランキングでも沖縄「美ら海水族館」に次ぐ全国2位の来館者数を誇ると言われています。 […]