「環境水族館」をコンセプトに、多彩な取り組みを行う、アクアマリンふくしまをご紹介します!
福島市内からは少し離れていますが、スパリゾートハワイアンズなども近くにあり観光にもピッタリですし、動物福祉や環境問題などを意識した展示の数々は全国的にも独自の存在感があります。
東日本大震災の苦労を乗り越え、新たな取り組みにもチャレンジを続けるアクアマリンふくしまの魅力を存分にご紹介します!
Contents
アクアマリンふくしまの見どころレビューと所要時間
アクアマリンふくしまは、スタイリッシュな外観の大きな建物で、特徴的な展示も多く見どころ満載です。
イルカやアシカのパフォーマンスなどはありませんが、魅力的な展示がたくさんあるので、所要時間としてはじっくり1時間半〜2時間程度楽しめます。さらに、体験型のイベントにも参加するのであれば、3時間以上はたっぷり満喫することができます。
アクアマリンふくしまは、主に以下のような見どころがあります。
- 見どころその1:圧倒的な存在感を放つ三角通路の大水槽
- 見どころその2:オホーツク海が目の前に!レアな生き物が勢ぞろいのアイスボックス
- 見どころその3:貴重なシーラカンス展示や、別棟の金魚・カワウソ展示がすごい
見どころその1:圧倒的な存在感を放つ三角通路の大水槽
アクアマリンふくしまを代表する展示といえば、なんといってもこの「潮目の海」です。
ひとたび中に入ると、左右の視界全てが青い世界に囲まれ、幻想的な海の浮遊感を味わうことができます。
太平洋の親潮と黒潮が交わる海域に面した福島県の水族館ならではの展示となっています。
しかし、この展示の素晴らしさは三角の通路を通るときだけではありません。
この水槽は、上の階からも観ることができ、見どころポイントはここにあります!
イワシの大群が水面付近を泳ぎ、銀色の身体に太陽光がきらめく姿が驚くほど美しいので、よく晴れた日に訪れることをオススメします!
日本全国の水族館でも、群れるイワシの展示としては印象的な美しさは最高レベルの展示となっています!
2020年10月には、非常に珍しいバショウカジキが11年ぶりに搬入されたことなどでも話題となりました。
さらに、アクアマリンふくしまで観られる魚の群れでは、こちらのキンメモドキも欠かせません。
さきほどのイワシは太陽光との相性が抜群でしたが、このキンメモドキは洞窟のような仄暗い雰囲気の中で、まるで一つの生き物のように動く様子が幻想的です。
分かれたり、集まったり、と繰り返す姿は、ずっと眺めていても飽きない面白さで、つい時間を忘れて足を止めてしまいます。
なお、このキンメモドキがいる水槽には、人気のチンアナゴもいますので、ぜひ合わせて楽しんでくださいね!
見どころその2:オホーツク海が目の前に!レアな生き物が勢ぞろいのアイスボックス
コンブやワカメといえば北の冷たい海が連想されますが、大きな海藻が育つのは、親潮海域では海底から湧き出る栄養豊かな海水のおかげです。
こうした北の海に生息する珍しい生き物たちを紹介するのが「親潮アイスボックス」です!
その時々によって見られる生き物は常に入れ替わりますが、ここでは、小さな水槽の中で個別に生き物が展示されており、一つ一つに生き物の特徴やレア度などが紹介されています。
例えばこちらのナメダンゴ。
小さな身体と愛くるしい表情が人気で色々な水族館で観られますが、レア度は結構高めなんですね。
また、とても印象的だったのがこちらのクロダコ。
一見すると普通のタコとそれほど変わりませんが、注目ポイントは目の部分!眼球全体が黒目になっていて、ちょっと怖いような未知の生き物に出会った気分になりました。
その他にも、甲冑のような姿をしたアツモリウオや、深海に生息するオオグチボヤなど、その時々で多種多様な珍しい生き物と出会うことができます。
海の妖精として人気のあるクリオネや、綺麗なクラゲなどもいますので、ここのコーナーではついつい長居をしてしまいますね。
特に、北の幸としてもお馴染みのエビの仲間は種類が豊富です。
アクアマリンふくしまが北海道で発見した新種のラウスツノナガモエビや、
世界でもここでしか見られないオシロイイバラモエビのような貴重なエビが展示されることもありますので、ぜひお見逃しなく!
なお、「北の海」には小さな生き物達だけでなく、エトピリカのような鳥や、トド・アザラシなどの海獣と呼ばれる大型の生き物達も生息しています。
ここでは、非常に珍しいクラカケアザラシの「くらまる」も秋から冬にかけての季節限定で飼育・展示されていましたが、2023年7月25日に亡くなってしまいました。
その生態がよく分かっておらず、2015年に北海道で保護されてから研究のため飼育・展示されていたクラカケアザラシですが、くらまるの飼育経験がアクアマリンふくしまの研究活動の発展などに繋がって欲しいですね。
見どころその3:貴重なシーラカンス展示や、水族館に入る前から楽しめる金魚やカワウソ展示がすごい
アクアマリンふくしまでは、水槽の中での展示演出はもちろん、空間全体の演出にもこだわっており、まるで本当に森や山の中にいるような感覚になります。
川辺の再現やジャングルを模した植物など、生き物の魅力と同時に、その生き物が生息する地域の雰囲気まで感じることができます。
こうした展示環境のこだわりは、水族館の建物に入る前から始まっています。
特にその真価が感じられるのが、本館とは別棟にあるこちらの「カワウソのふち」です!
かつて日本に生息していたニホンカワウソの生息環境を再現し、近い種類とされるユーラシアカワウソが飼育・展示されています。
自然に近い環境の中でカワウソたちが縦横無尽に泳ぎ回っており、なんと水槽の中を泳ぐ魚を捕らえる姿が見られることもあります。
隠れる場所も多く、常にその姿が見られるわけではありませんが、それが自然な環境であると逆に楽しみたいところです。
その手前には、今から3000年以上前の縄文時代を意識して作られた「わくわく里山・縄文の里」もありますので、ぜひゆっくりご覧ください!
この「わくわく里山・縄文の里」では、2020年10月に新エリアが開設され、ホンドタヌキと、水族館としては初となるニホンアナグマの展示が始まっています。
また、同じく水族館の建物に入る前にある「金魚館」では、様々な種類の金魚と出会うことができます。
例えば、こういう一般的な和金もとても綺麗ですが、
ピンポン玉のような丸い身体が特徴的なピンポンパールや、
両頬の袋が破れてしまいそうで心配になる水泡眼(スイホウガン)、
上から見ると目が合ってしまう頂点眼など、個性豊かな金魚もぜひお楽しみください!
建物に入ってからも、アクアマリンふくしまならではの展示が続きます。
特にアクアマリンふくしまが力を入れているシーラカンスは、貴重な標本展示を見ることができます。
シーラカンスは約6500万年前に一度絶滅したと考えられていましたが、20世紀に入ってから再度「発見」され、文字通り“生きた化石”として貴重な研究対象となっています。
アクアマリンふくしまはこうした研究活動にも積極的に活動しており、生物の進化や海洋の解明などに貢献しています。
水族館の大切な役割を知る機会として、ぜひシーラカンスへのこだわりにもご注目ください!
アクアマリンふくしま“限定”のここがすごい!
(1)美味しい環境教育。レストランのコンセプトがすごい。
コンセプトである「環境水族館」は、展示の様々なところで表れていますが、アクアマリンふくしま独特の取り組みがレストランにあります。
それがこの「ハッピーオーシャンズ」です。
これは、近年問題になっているクロマグロやウナギなど、食用とされる魚の枯渇について、数が少ない水産物を大切にして、数の多い魚などを優先して食べよう!という消費者参加型のプロジェクトで、世界中で同様の取り組みが行われています。
ハッピーオーシャンズでは、絶滅危惧などの堅い言葉を使わず、分かりやすい赤色・黄色・青色の信号形式でイラスト化されているので、食べるときの心掛けが一目で分かります。
具体的な食事メニューの例は、レストランの項目をご覧ください!
アクアマリンふくしまでは、利用者の学びを大切にしていることから、館内にはパネル解説を中心とした啓発コーナーも充実しています。
特にプラスチックごみによる海洋汚染の問題は年々深刻化しており、私たち一人ひとりの意識も変えていく必要があります。
実際のゴミの実態を目にすることで感じられることもあると思いますので、アクアマリンふくしまでの展示を通じてぜひ自然や生き物のことを考えるきっかけにしたいですね。
地球全体に関わる環境問題や、地域で絶滅が危惧される生き物の保全などを知る機会としてもぜひご利用ください!
(2)体験イベントが豊富で何度行っても楽しめる!
広い館内の外には、気持ちの良いビーチやビオトープが広がっています。
ここでは、ビーチに入ったり潮干狩りなどを楽しんだりすることのできるアクティビティがたくさん用意されています。
釣った魚をその場で食べたり、併設される炭火焼きでホタテなどを美味しく頂くこともできます!
また、ビーチに近い館内では、お子様向けのキッズコーナーや貝を使ったオリジナルキーホルダー作りなどのイベントもあり、展示以外にもたくさんのお楽しみがあります。
かつお節削り体験など、気軽にできるイベントなどもありますので、ぜひ何度も足を運んで色々なイベントに参加してみてくださいね!
アクアマリンふくしまのグッズとお土産
アクアマリンふくしまには、以下の2か所のお土産コーナーがあります。
- JOHMON(じょうもん):入口手前
- uminos(ウミノス):順路出口付近
(1)JOHMON(じょうもん)
JOHMONは、同時オープンした屋外展示“わくわく里山・縄文の里”にちなんで名付けられました!
入館する前に入れるギフトショップなので、入館料を払わなくてもお買い物を楽しむことができます。
店内は綺麗に整然としており、ぬいぐるみから文房具まで様々なものが揃っています。
可愛い展示が観られた金魚の本なども充実しており、水族館から帰ってからも生き物たちの魅力を楽しむことができます。
中でも、アクアマリンふくしまの館長が自らデザインしたイラストを用いたパッケージの商品は、ここでしか手に入らないレア商品でオススメですよ!
(2)uminos(ウミノス)
アクアマリンふくしまのメインとなるギフトショップで、順路の最後に現れます。
細長い店内では、Tシャツやアクセサリなど、日常的に使える商品も充実しています。
また、定番のお菓子類も、お土産にぴったりな箱型のタイプや、
オリジナルのぬいぐるみなども多数揃っていますので、ぜひお立ち寄りください!
アクアマリンふくしまのレストラン
さきほど“限定”のコーナーでご紹介したように、アクアマリンふくしまではレストランにもこだわりが詰まっています。
アクアマリンふくしまでは、食事を提供するレストランが二つあります。
- おいしい水族館「アクアクロス」
- 寿司処「潮目の海」
(1)おいしい水族館「アクアクロス」
アクアクロスは、順路の最後にあり、食券を購入してカウンターで受け取る方式で、広々とした店内からはビオトープを眺めながらゆったりと食事が楽しめます。
このレストランでは、ハッピーオーシャンズでの「青信号」の食材を中心に使っているので、安心して味わうことができます!
今回ご紹介するのは、そんな青信号の代表的な魚であるマサバを使った味噌煮セット。
脂がのったマサバにしっかりと味噌が染みており、ご飯との相性は抜群です!
また、マグロがメニューに使われる時には、マグロの中でも絶滅の危険性の低いキハダマグロを使うなど、コンセプトが徹底されています。
そんなコンセプトもありながらメニューは充実していますので、ちょっと変わった料理も含めて、選ぶ楽しさもたくさんあります。
美味しいだけじゃなく、環境問題への貢献を意識することにも繋がる素晴らしいレストランですので、ぜひご利用ください!
(2)寿司処「潮目の海」
順路の途中、見どころその1でご紹介した「潮目の大水槽」の目の前にあるお寿司屋さんです!
水族館で魚を観ながら、つい「美味しそう」と思ってしまったことのある方も多いと思います。
アクアマリンふくしまでは、それを逆に食育につなげて、命を頂くことの大切さを実感できるコーナーとしています!
こちらは、ゆっくりと腰を据えるようなテーブルは無く、サクッと食べるようなレストランですので、利用を予定されている方はご注意くださいね!
アクアマリンふくしまの入館料とお得な割引情報
アクアマリンふくしまの入館料金は下記の通りとなっています。
- 大人(大学生以上):1,850円
- 子供(小・中学生、高校生):900円
- 未就学児:無料
基本となる割引として、団体割引や福祉割引などが用意されています。
また、同じ会社が運営する福島県内の“アクアマリンいなわしろカワセミ水族館”や、友好提携をしている新潟県の“マリンピア日本海”の年間パスポートを持っている場合、以下のような割引があります。
- 大人(大学生以上):300円引き
- 子供(小・中学生、高校生):150円引き
それぞれの水族館とも合わせて、お得にアクアマリンふくしまを楽しみましょう!
アクアマリンふくしまの営業時間
アクアマリンふくしまの基本的な営業時間は、
- 通常:9時00分〜17時30分
- 冬季:9時00分〜17時00分
いずれも閉館時間の1時間前には入館できなくなりますのでご注意ください。
なお、ゴールデンウィークや夏休み、冬休みにはそれぞれ変則的な時間になっているので、具体的な日程を踏まえて事前に公式サイトを確認することをオススメします。
特に、毎年開催される「いわき花火大会」の日は21時まで開館しており、アクアマリンふくしまからも花火がよく見えるので、オススメです!
アクアマリンふくしまのアクセスと駐車場
アクアマリンふくしまは以下の場所に位置し、福島駅の中心地からは少し距離があるため、電車やバス、車などを使うことが必須となっています。
- 電車の場合
- 車の場合
(1)電車の場合
電車の場合には、最寄り駅はJR常磐線の「泉駅」となります。
「いわき駅」を起点にする場合、高速バスが便利です。
- 東京方面からの場合には東京駅から
- 仙台方面からの場合には郡山駅から
それぞれ「いわき駅」行きの高速バスが運行しています。
いわき駅からはJRで10〜15分ほどで泉駅に到着することができます。
なお、東京方面から向かう場合には、上野駅などから真っ直ぐ泉駅に向かうこともできます。
少し注意が必要なのは、最寄りの「泉駅」からも5kmほどの距離があるため、徒歩では1時間かかるためかなり大変です。
そのため、泉駅からは、バスを利用することが基本となります。
最寄りのバス停留所は「イオンモールいわき小名浜」で、下車後は徒歩5分程度でアクアマリンふくしまに到着することができます。
バスの本数が限られるため、電車の乗り継ぎなどをよく計算をしないと何分も待つことになるため、公共交通機関のみで向かう方は十分に計画を立ててから行きましょう!
オマケのアクセス
いわき駅からは、直接「支所入口」に向かうこともできます。
例えば仙台方面から向かう場合、
仙台→(電車)→郡山→(バス)→いわき→(電車)→泉→(バス)→支所入口となるため、乗り換えが非常に面倒です。
そこで、いわき駅から直接向かうバスを利用すれば、
仙台→(電車)→郡山→(バス)→いわき→(バス)→支所入口
と、乗り換えを短縮できるのでお勧めです。
ただし、こちらも本数が限られている上にかなり時間もかかりますので、より計画性が重要になりますのでご留意ください!
(2)車の場合
お車で向かう場合には、それほど複雑な行程はありません。
- 東京方面からの場合には「いわき勿来インター」
- 仙台方面からの場合には「いわき湯本インター」
それぞれ高速を降りて、大きい国道を通って20~30分程度でアクアマリンふくしまに到着します。
駐車場は1,500台収容の大きなサイズですので、よほどの混雑がない限りは安心してご利用頂けます。
詳しい内容は公式サイトもご確認ください!
感想・まとめ
環境水族館のコンセプトを巧みに生かし、太陽光や植物を利用した装飾や演出がとても美しい展示の数々となっているアクアマリンふくしま。
さらに、シーラカンスの調査研究やレストランでのハッピーオーシャンズの取り組みなどにより、実際に地域や地球規模での環境問題にも挑戦しています。
思いっきり自然や生き物を楽しみたいときにオススメな水族館であるアクアマリンふくしまへ、ぜひお越しください!
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