このページでは、水族館の経営問題を専門に研究している原澤恵太が、
水族館研究家としての活動プロジェクトの一つとして取り組む、
SAAIでの研究についてご紹介します。
※本記事で使用している写真はイメージです。特定の水族館と共同で活動するものではありません。
SAAIとは
SAAIは、三菱地所株式会社が2020年2月14日に開業した東京・有楽町にある会員制のワーキングコミュニティです。
「おもいつきを、カタチに。」のキャッチフレーズに象徴される通り、
- ちょっとした会話から出てきた面白いアイディア
- 飲み会で語り合った夢
- 社内では通らないような企画
などなど、突拍子もないけど実現できたら大きな社会の原動力になるような考えを、
様々な分野の才能同士が出会ったり、リソースサポートなどを受けることで、
アイディアを磨き、実現しよう、というコンセプトです。
これまでも、似たような考え方として、
- コワーキングスペース
- カンファレンス
- ネットワーキング
などがありましたが、それらとは一線を画する新しい仕組みとなっています。
なお、「SAAI」という名称には、
- 彩(=集うヒトの多様性)
- 才(=異能・異才が集まる空間)
- 祭(=出会い、交わり、刺激されるイベント)
- 斎(=好きなことに集中・没頭できる空間)
といった意味が込められており、
「差(=“SA”)」を「愛する(=“AI”)」という言葉を組み合わせた造語です。
SAAIに関する全容については、開業にかかるプレスリリース(PDF)をご参考にしてください。
水族館研究家としてのSAAIでの研究プロジェクト
SAAIには、「おもいつき」をプロトタイプ的に磨いていく”スタジオ”という仕組みがあり、
原澤は『水族館ビジネスモデルの再設計スタジオ』を立ち上げました。
その目的は、水族館を起点にサステナブルな社会をつくること。
多くの方は、水族館を「レジャー」として利用されていると思いますが、
水族館には、楽しいだけにとどまらない、以下のような様々な側面があります。
- 海や川に生息する生き物の生態研究
- 希少な種の保護・保全・繁殖
- 自然環境や生き物に関する教育
- 自然との接点が少ない都市生活者への機会創出
- 水族館を起点としたまちづくり
- 地域の自然を学ぶフィールドワーク
- 生涯学習としてのボランティア活動
しかしながら、水族館は必ずしも十分な収支を得られておらず、
その機能・役割を的確に発揮できていない場合も散見されます。
また、動物に対する考え方の変化などに伴い、
従来の考え方では持続的に事業を続けることすらも危ぶまれつつあります。
そこで、経営学の研究者であり、水族館経営を専門に研究する原澤が、
水族館の持続可能なビジネスモデルをテーマにしながら、
水族館がサステナブルな社会づくりに貢献することができるよう、
これからの時代を見据えた新たな水族館のあるべき姿の研究・提起を目指します。
活動の具体的内容については順次にご紹介していきますので、
ぜひ水族館の未来を一緒に考えていくことができれば幸いです。
なお、過去の研究内容については修士論文「水族館経営構造の体系化と持続的発展の考察」をご参照ください。
また、経営の観点から水族館について紹介した過去の記事は以下もご参照ください。
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