このコーナーでは、水族館に関する素朴な疑問にお答えします。
今回の疑問は「水族館でクジラは見られる?」です!
水族館での実際の写真や事例から、4つの疑問に答える形で解説していきます。
説明はいらないから結論が知りたい!という方は「結論!」を先にお読みください(^_^)
- 水族館にクジラはいない?
- イルカとクジラの違いとは?
- クジラにはどんな種類がいるの?
- クジラが観られる水族館はどこにあるの?
- 結論!
1.水族館にクジラはいない?
水族館でクジラが見られるか、とほぼ同じ意味にはなりますが、そもそも水族館にクジラはいるのでしょうか。
結論としては、水族館に「クジラ」はいます。
正確に言うと、クジラに分類される生き物を観ることができる、ということです。
そこで、まずはイルカとクジラの違いからご紹介します。
2.イルカとクジラの違いとは?
水族館でのクジラに関する疑問を解消するためには、まずクジラとはどんな生き物か、を考える必要があります。
クジラはイルカと同じく「鯨類」と呼ばれており、世界には約100種類ほどの鯨類がいると言われています。
そのため、クジラとイルカは同じ種類の仲間です。
では、まずは基本的なこととして、クジラとイルカはどう違うのでしょうか?
一般的には、
- 4mよりも大きな種類をクジラ
- 4mよりも小さな種類をイルカ
という大まかな分類がされています。
英語でも、
- クジラはホエール(Whale)
- イルカはドルフィン(Dolphin)
として区別されていますね。
これは厳密な定義ではなく、必ずしもこの通りではありませんが、概ねこの基準が当てはまります。
3.クジラにはどんな種類がいるの?
イルカとクジラの区別をした次には、「クジラ」には大きく分けて以下の2種類があることをご紹介します。
- ヒゲクジラ
- ハクジラ
(1)ヒゲクジラ
歯がクシのような構造になっていて、まるでヒゲのように見えることから、ヒゲクジラと呼ばれています。
イラストなどでクジラが描かれる場合には、このヒゲクジラであることが多く、皆さんが「クジラ」と聞いて真っ先に頭に浮かべることが多いのがこちらの種類です。
エサとなるオキアミなどを、水と一緒に勢いよく吸い込み、歯に引っかかったものを食べます。
その時に、畆と呼ばれるジャバラのような部分が大きく膨らむことから、イラストなどでは丸々とデフォルメされて描かれることが多いです。
ヒゲクジラは、クジラの仲間の中でも身体が大きいのが特徴です。
特に最大のシロナガスクジラは、恐竜が跋扈した時代の生き物と比べても巨大で、地球上に誕生した生き物の中で最も体長の大きい生き物と言われています!
しかし、こちらのタイプのクジラを水族館で観ることはできません。
一説には、例えば体長15m程度のザトウクジラを飼育しようとすると、3万トンを超えるような水槽が必要とも言われています。
これは、日本一(世界では第4位)大きな美ら海水族館の大水槽ですら7500トンと、4倍の大きさが必要となる計算になり、大きな技術進歩などがない限り、物理的に飼育が難しい状況にあります。
(2)ハクジラ
こちらの種類は、いわゆる「尖った歯」が生えており、魚やイカなどを噛んで食べます。
身体の小さい「イルカ」は基本的に全てこちらのタイプの「歯」を持っています。
その骨格を見ると、より分かりやすいかもしれません。
マッコウクジラやシャチといった有名なクジラの種類がこのハクジラに分類されるため誤解されがちですが、ハクジラは基本的に身体が小さい種類が多いです。
ちなみにこのハクジラ、中にはこんな風にちょっと変わった歯をした仲間もいます。
ということで、小型のハクジラであれば、水族館でも観られるチャンスがあります!
以下でもご紹介するように、シャチやベルーガ(シロイルカ)は「クジラ」です。
また、「◯◯ゴンドウ」と名の付いた種類も、「クジラ」に分類されます。
こうして見ると、確かに「クジラっぽい」と感じませんか?
ここまで簡単にまとめると、シャチやシロイルカ、「〇〇ゴンドウ」はクジラに分類されますが、水族館で飼育ができることから、水族館のイルカショーなどで活躍する姿を観ることができます。
4.クジラが観られる水族館はどこにあるの?
水族館で観られる「クジラ」は、主に以下のような種類が挙げられます。
- シャチ
- ベルーガ
- コビレゴンドウ
- ハナゴンドウ
- オキゴンドウ
(1)シャチが見られる水族館
シャチは身体も大きく、水族館で観られる「クジラ」の代表的なものです。
現在シャチが観られる日本の水族館は3箇所のみです。
- 鴨川シーワールド
- 名古屋港水族館
- 神戸須磨シーワールド
鴨川シーワールド(千葉県)
鴨川シーワールドはシャチ展示の元祖とも言える水族館で、大迫力のショーなどで人気を集めています。
夏には観客席に水を勢いよく撒き散らすパフォーマンスで暑さを吹き飛ばしてくれます!
この水族館の詳細は、個別の水族館紹介記事をご参考にしてください!
名古屋港水族館(愛知県)
名古屋港水族館は、鴨川シーワールドとの連携により、シャチの飼育・展示を開始しました。
公開トレーニングの他、館内に入ってすぐ間近でシャチを観ることができます。
この水族館の詳細は、個別の紹介記事をご参考にしてください!
神戸須磨シーワールド(兵庫県)
神戸須磨シーワールドは、2024年6月に誕生したばかりの新しい水族館です。
迫力あるパフォーマンスの他に、オルカラボなどでシャチの生態や飼育について学べるのも特徴です。
この水族館の詳細は、個別の紹介記事をご参考にしてください!
(2)ベルーガ(シロイルカ)が見られる水族館
ベルーガ(シロイルカ)は、名前が「イルカ」なだけあって「クジラ」として認識されにくいですが、立派な「クジラ」です!
シャチが観られる鴨川シーワールド、名古屋港水族館はいずれもシロイルカを展示していますが、その他にも複数の水族館で出会えます。
現在シロイルカが観られる日本の水族館は4箇所です。
- 鴨川シーワールド(千葉県)
- 名古屋港水族館(愛知県)
- 横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)
- アクアス(島根県)
横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)
シロイルカは「展示」として観ることが多いですが、横浜・八景島シーパラダイスでは、シロイルカのパフォーマンスを通じて、その身体能力の高さなどを感じることができます。
また、触れ合いコーナーでおでこに触れたりすることができるのも、横浜・八景島シーパラダイスの特徴の一つです。
この水族館の詳細は、個別の紹介記事をご参考にしてください!
アクアス(島根県)
西日本で唯一シロイルカを展示しているしまね海洋館”アクアス”は、シロイルカ達のショーパフォーマンスが特徴です。
中でも、水中で輪を作る「バブルリング」という技は、アクアスを代表する幸せを呼ぶキーワードとなっています!
この水族館の詳細は、個別の紹介記事をご参考にしてください!
(参考)うみがたり(新潟県)
2018年6月26日にリニューアルオープンした上越市立水族博物館”うみがたり”は、2年後の2020年7月3日まで、国内で5館となるシロイルカを展示する水族館でした。
うみがたりでは、現在は飼育・展示を行っていません。
(3)ゴンドウの仲間が見られる水族館
ゴンドウと名が付く種類のクジラは、複数の水族館で観ることができます。
日本の水族館では、ハナゴンドウやコビレゴンドウ、オキゴンドウなどが一般的です。
以下では、その一部をご紹介します。
くじらの博物館(和歌山県)
日本で「クジラ」を観るなら欠かせないのがこちらの水族館。
オキゴンドウやハナゴンドウなどの「クジラ」だけがパフォーマンスを行う「クジラショー」が観られるのは、くじらの博物館だけです。
さらに、ここでしか観られない珍しいイルカもたくさんいるなど、イルカ・クジラを観るなら最高峰の場所です。
この水族館の詳細は、個別の紹介記事をご参考にしてください!
新江ノ島水族館(神奈川県)
新江ノ島水族館では、ハナゴンドウを観ることができます。
ハンドウイルカなどの見慣れたイルカと横に並ぶと、やはり一回り大きな姿が目立つため、簡単に区別することができると思います。
この水族館の詳細は、個別の紹介記事をご参考にしてください!
マリンワールド海の中道(福岡県)
マリンワールド海の中道では、ハナゴンドウやコビレゴンドウが活躍しています。
水族館での飼育記録がなんと6000日を超えたベテランのコビレゴンドウに出会うことができますよ。
この水族館の詳細は、個別の紹介記事をご参考にしてください!
その他の水族館
その他にも、ビーチをイメージした浜辺ですぐ近くまで近付くことの出来る「うみたまご(大分県)」や「美ら海水族館(沖縄県)」などでもゴンドウの仲間に出会うことができますよ。
5.結論!
体長が4mよりも大きい種類をクジラ、小さい種類をイルカと分類するため、種類によっては、水族館で飼育できるクジラもいます。
水族館で見られる代表的なクジラは「シャチ」や「ベルーガ(シロイルカ)」で、その他は「〇〇ゴンドウ」という名が付いた種類です。
以上の内容で、「水族館でクジラは見られる?」という疑問は解消しましたか?
家族や友達と水族館へ行かれる際に、豆知識としてご活用ください(^ ^)
なお、イルカが観られる水族館については、以下の記事も参考にしてください!
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