ゴビウスは、出雲空港にほど近く、島根県を代表する宍道湖の西側の湖畔に位置する水族館です。
「宍道湖自然館ゴビウス」という名称にふさわしく、比較的小規模ながらも、ゴビウスならではの特徴を出しながら、綺麗で落ち着いた雰囲気の展示が魅力的です。
それでは早速ゴビウスのご紹介を始めます!
Contents
ゴビウスの見どころレビューと所要時間
多くの水槽や解説があるため、所要時間は1時間〜1時間半程度です。イベントに参加したり、写真などを撮りながらゆったりと楽しむ場合には、2時間近く過ごせます。
以下では、テーマ別にゴビウスの見どころをご紹介します。
- 見どころその1:地元の生き物が映える太陽光を取り入れた水槽が美しい
- 見どころその2:カエルやヘビ、カメなど両生類や爬虫類も充実
- 見どころその3:希少な生き物を守る!ゴビウスの挑戦
見どころその1:地元の生き物が映える太陽光を取り入れた水槽が美しい
ゴビウスは目の前に広がる宍道湖・中海の生き物を中心に、島根県の川に生息する生き物たちが生き生きとした様子で飼育・展示されています。
建物に入ってすぐのエントランスでチケット窓口よりも先に現れるのが、こちらの大型円形水槽です。
たくさんの小さなアユが忙しなく泳ぐ姿を見ることができます。
宍道湖・中海は日本最大の汽水域とも言われており、ゴビウスでも「汽水」は重要なキーワードの一つとなっています。
「汽水」・「汽水域」とは海水と淡水の境目にあたる部分のことで、スズキやクロダイ、クロソイといった魚たちが生息しています。
ゴビウスのマスコットキャラクターとなっている「ゴビィ」のモデルとなったのマハゼも、そんな汽水を代表する魚の一つです。
かなりデフォルメされていますが、その由来や見た目の比較などもお楽しみください。
その他にも、宍道湖と日本海の中間にあたる「中海」や日本海に生息するのがこちらのドフラインクラゲ。
聞き慣れない名前・見慣れない姿かもしれませんが、よく水族館で観られるミズクラゲとはまた違った美しさがあるのでぜひ触手の動きなどにご注目ください。
宍道湖には、マアナゴなど食卓でも身近な生き物も生息しています。
キクモやヤナギスブタ、ミズユキノシタなど、島根県内の川や池などで見られる水草の展示までありますので、ぜひ生き物に広く関心を持つきっかけにしてください。
また、ゴビウスではより魅力的に生き物たちを観てもらうために、太陽光を上手に取り入れた展示の数々が見どころの一つとなっています。
順路の途中にある大きな水槽では、天井のガラスから太陽光が差し込んでいます。
この水槽、「宍道湖」と、宍道湖と日本海との間にある「中海」とを比較できるような展示となっています。
どちらも太陽光によって魚たちも美しく照らされており、生き生きとした姿を観察することができます。
ふと岩場に目を向けると、魚以外の生き物たちの姿も見られるのでご注目ください。
また、こちらも順路の後半ですが、全長18メートルにもなる河川ジオラマ水槽では、開放的な水槽に太陽光が降り注いでいます。
ガラス面は少し手前の設備が反射してしまっていますが、ここでは集団のようにまとまって泳ぐ魚たちが映えています。
太陽光がレースカーテンのようにひらひらと水中を舞う様子は、幻想的でもあります。
時期によって、ヤマメやオイカワなどの鮮やかな模様が並ぶ様子もゴビウスの見どころとなっています。
生き物はもちろん、滝の水しぶきに光が当たる様子もキレイですので、ぜひ展示の様々な部分に目を向けてみてくださいね!
見どころその2:カエルやヘビ、カメなど両生類や爬虫類も充実
世界最大の両生類で、「ハンザケ」とも呼ばれるオオサンショウウオは、山陰地方が主な生息地の一部となっていることもあり、ゴビウスでも積極的に飼育・展示がされています。
オオサンショウウオの成長の様子を詳しく調査・記録する様子を公開していることもあります。
このオオサンショウウオに代表されるように、ゴビウスでは両生類や爬虫類の展示も充実しています。
同じサンショウウオの仲間でも、このカスミサンショウウオなど、オオサンショウウオと比較すると全く印象の違う多様性があることが分かります。
屋外にはカミツキガメやミシシッピアカミミガメなどがいますが、これは「外来種」の問題を伝える目的もありますので、解説パネルもよく読み、生き物をペットとして飼育する際の心構えにしたいですね。
館内には様々な種類のカエルの仲間も飼育・展示されています。
アマガエルといえば緑色のイメージをお持ちの方も多いと思いますが、ここではカラフルなアマガエルを観ることができます。
ゴビウスでは、アマガエルが様々な色に変化する理由の説明などを観ることもできます。
また、こちらはニホンアマガエル。
例えばこのモリアオガエルとは見た目にも違いがありますが、同じアマガエルの仲間の中にはそっくりな種類もあります。
似た種類の中から違いを見つけることも、生き物の多様性を理解する上では大切なことですので、ぜひ比較を楽しんでみてくださいね。
さらに、ゴビウスでは爬虫類の仲間として色々な種類のヘビが飼育・展示されています。
シマヘビやアオダイショウなどは毒の無い種類ですが、都市化が進む中であまり馴染みのない生き物になりつつあるかもしれません。
展示の解説だけでは分からなかったことなど、スタッフさんから色々なお話を聞くことのできるイベントもありますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
見どころその3:希少な生き物を守る!ゴビウスの挑戦
ゴビウスでは、地元の自然や生き物の魅力を感じる展示がたくさんありますが、楽しみつつも学びの得られる展示が多数あります。
宍道湖のシンボル的な魚として知られるシラウオは、宍道湖の生態環境を大切にして得られる生物多様性の恵みと言えますが、ゴビウスでは日本で唯一シラウオの通年展示をしています。
食べる機会はあっても、生きている姿を観られる機会はとても少ないです。
シラウオは常に素早く動いていますが、その透き通る姿が非常に美しいので、ぜひじっくり観察してみてくださいね。
さらに、宍道湖を代表する生き物の一つがこのシジミです。
シジミの姿は島根県のあらゆるお土産屋さんなどで目にすると思いますが、ゴビウスではヤマトシジミが果たしている水質浄化の役割を目で分かりやすいような展示が行われています。
言葉で説明されるよりも、こうして見ると一目瞭然ですね。
シジミを持続可能に利用することは、環境を守ることにも繋がることが理解できます。
ゴビウスのある島根県でも、様々な生き物が絶滅の危機に瀕しています。
例えばこのエラの付近の模様が目玉のように見えるオヤニラミは島根県の絶滅危惧種をまとめた「しまねレッドデータブック」で絶滅危惧1種と位置付けられており、特に絶滅の危険があると言われています。
同じく1種に指定される種類には、このミナミアカヒレタビラなどもいます。
また、こちらのカワヤツメも、希少な種類となっています。
こうした指定種には、魚だけでなく、ハマガニなども含まれています。
ゴビウスでは、希少な生き物の啓蒙をするだけでなく、繁殖の取り組みを通じて、少しでもその数を増やすための努力もしています。
こちらのイシドンコは、水族館の中で繁殖したものが飼育・展示されています。
その他、地域ならではの生き物が多数飼育・展示されており、準絶滅危惧種のサンインコガタシマドジョウなどもいます。
ところで、皆さんは「メダカ」のことを別の名前で呼ぶことはありますか?
島根県の出雲地方では「ネンバ」や「ネンバゴ」などと呼ばれることもあるそうです。
そんな名前の違いなどにも注目しながら観察してみくださいね。
なお、ゴビウスには「学習コーナー」があり、たくさんの本を読むことなどもできるので、生き物のことを勉強する場所としてぜひ積極的にご利用ください!
ゴビウスのグッズとお土産
ゴビウスの「ミュージアムショップ」は、順路が始まる直前にあります。
館内を回って出口から出ると「庭」に出てしまうため、もう一度入口から入りなおさないとショップに立ち寄れませんのでご注意ください。
ゴビウスのオリジナルキャラクター「ゴビィ」を用いたオリジナルグッズも色々ありますが、特に代表的な展示であるシラウオに関連したものも目立ちます。
必ずしもゴビウスで展示・飼育されている生き物の種類をモチーフにしたものではありませんが、定番のぬいぐるみも。
せっかくゴビウスで買うなら、ぜひゴビィのぬいぐるみもご検討ください!
他にも、小さいお子様に人気のシールブックや絵本も。
オリジナルコーナーを中心に、旅の思い出としてぜひお土産もじっくり選んでくださいね。
ゴビウスのレストラン
ゴビウスには、併設する飲食店・レストランがありません。
周辺にも飲食施設が無いため、公共交通機関でお越しの方はご注意ください。
ゴビウスの入館料とお得な割引情報
ゴビウスの入館料金は下記の通りとなっています。
- 一般(大学生以上):500円
- 子供(小・中学生、高校生):200円
- 小学生未満:無料
特に高校生以下はたったの200円と、かなりリーズナブルな価格設定になっています。
この上さらに、団体割引や年間パスポートなどもありますので、ぜひご確認ください。
(1)年間パスポート
- 大人(大学生以上):1,400円
- 子供(小・中学生、高校生):500円
1年間何度行ってもこの値段というのは破格ですね。
さらに家族で同時購入すると、そこから2割引となるので、ますますお得になっています。
- 大人(大学生以上):1,120円
- 子供(小・中学生、高校生):400円
年間パスポート会員限定のキャンペーンなどもありますのでぜひチェックしてみてくださいね。
(2)団体割引
基本となる割引として、20名以上の場合には団体割引があります。
割引後の価格は以下の通りです。
- 大人(大学生以上):400円(100円引き)
- 子供(小・中学生、高校生):160円(40円引き)
幼稚園や学校などの課題活動として利用する場合にも団体割引と同額での利用ができ、引率の先生は無料でご利用頂くことができます。
申請の際には、公式サイトで申請書をダウンロードし、準備してから行きましょう!
(3)障害者等割引
「身体障がい者手帳」「療育手帳」「精神障がい者保健福祉手帳」をお持ちの場合、入館料が半額になります。
また、付き添いの方1名は無料でご利用頂けます。
ゴビウスの営業時間と休館日
ゴビウスの基本的な営業時間は9時30分〜17時00分です。
閉館時間の30分前には入館できなくなりますのでご注意ください。
また、毎週火曜日が休館日で、火曜日が祝日の場合は開館し、次の平日(通常は水曜日)が閉館日となります。
さらに、夏休み期間の7月中旬〜9月上旬までは、曜日に関係なく毎日開館します。
少し変則的になっているため、お出かけの際には、念のため事前に公式サイトなどを確認することをオススメします。
ゴビウスのアクセスと駐車場
ゴビウスは、立地的にはそれほどアクセスは悪くありませんが、少し留意すべきポイントがあります。
電車の場合と車の場合とで、アクセスをご紹介します。
(1)電車の場合(レンタカーなどを使用しない場合)
ゴビウスの最寄駅は、出雲大社などへ通ずる一畑電車北松江線の「湖遊館新駅」です。
2車両くらいのローカル線で、かなり本数が少ないのでご注意ください。
駅には改札が無く、乗車駅での購入や車内での整理券方式となっています。
駅を出ると、ひたすら一本道です。
一応、建物は見えていますので、そこを目指して真っ直ぐ進んでください。
合わせてご紹介したいのが、飛行機で島根までお越しになるケースです。
島根には複数の空港がありますが、ゴビウスの最寄りの空港は「出雲空港(出雲縁結び空港)」ですのでご留意ください。
また、出雲空港からゴビウスまでは、出雲市内まで空港発のリムジンバスで向かい、そこからローカル線に乗り換えて「湖遊館新駅」を目指す、というルートが基本となります。
しかし、本数が限られている上に、遠回りで、タイミング次第ではなんと2時間近く時間がかかります!
そこでオススメするのが空港からタクシーの利用です。
出雲空港からゴビウスまではわずか7〜8km程度なので、空港からタクシーを使ってしまえば、10〜15分程度で到着できます。
2000〜3000円ほどかかりますが、バスと電車を乗り継ぐ場合でも1000円以上はかかるので、時間の短縮を考えたら圧倒的にオススメです。
なお、米子空港方面からの場合には、上述の通りローカル線でお越しください。
(2)車の場合
車の場合にはかなり単純な行程となります。
主な地点からの距離は以下のようなイメージです。
- 松江市内:約20km(30分程度)
- 広島市内:約170km(2時間半程度)
島根県の東側、松江方面からの場合には、宍道湖に沿うように国道431号線を真っ直ぐ西に向かい、湖遊館新駅の踏切で左折すると、すぐにゴビウスが現れます。
広島方面からの場合でも、複数の高速道路を「宍道インターチェンジ」まで道なりに進み、高速を出たら国道57号線および23号線を北に向かって進めば、ゴビウスに到着します。
まとめ
宍道湖・中海の生き物を中心に、身近な種類から希少なら種類まで観ることのできるゴビウス。
マスコットにもなっているマハゼのような魚類だけでなく、両生類や爬虫類など様々な種類の生き物を観ることができます。
日本全国でも唯一となるシラウオの常設展示は非常に美しいのでぜひその目でお確かめください!
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