このページでは、水族館に関する記念日のうち、自然に関連する国際的な記念日を紹介します。
ここでの「自然」は、海や森、湿地など生き物の生息地や環境そのものに関するものを想定しています。
水族館では、地球上の様々な環境に生息する生き物を飼育・展示しており、自然との関わりはとても大切です。
自然を育み、その大切さを意識することは、そこを生息環境とする生き物達を守ることにも繋がります。
なお、記念日に関する全体の一覧(日付順)や記念日の意義については以下のリンクをご参考にしてください。
自然に関する水族館の記念日
自然に関する水族館の記念日を、日付順に記念日のタイトルを並べています。
なお、様々な和訳が当てられることも多いため、語感を踏まえて一般的な表現を用いつつ、英語での記念日を併記しています。
日付 | 記念日 | 和訳 |
2月2日 | World Wetlands Day | 世界湿地の日 |
3月21日 | International Day of Forests | 国際森林デー |
3月22日 | World Water Day | 世界水の日 |
6月5日 | World Environment Day | 世界環境デー |
6月8日 | World Oceans Day | 世界海洋デー |
6月22日 | World Rainforest Day | 世界熱帯雨林の日 |
9月の最終日曜日 | World Rivers Day | 世界リバーデー |
以下では、それぞれの概要についてご紹介します。
2月の記念日
2月2日:世界湿地の日(World Wetlands Day)
湿地がもたらす価値を認識し、その保全と適切な利用などを目指した国際的な条約である「ラムサール条約」が1971年2月2日に締結されたことに由来して、ラムサール条約常設委員会が1996年に、毎年2月2日を世界湿地の日とすることを決めました。
国際条約を起点とすることなどから、この日は世界中の政府機関をはじめ、非営利組織(NPO)や非政府組織(NGO)などが湿地に関する様々な啓蒙イベントなどを開催しています。
水族館には、湿地に生息する生き物なども飼育・展示されていますので、こうした記念日をきっかけに湿地の大切さを学ぶ機会にしたいですね。
3月の記念日
3月21日:国際森林デー(International Day of Forests)
国際森林デーは、世界的な森林の減少を懸念し、木・森林に関する意識を啓発することを目的に、2012年に国連の決議で決定されました。
森林伐採は環境問題を象徴する問題として古くから指摘されているため、紙資源の無駄遣い防止や間伐材利用の重要性などは日常的に目にすることもあろうかと思います。
森林は海や川の生き物、生態系を育む大切な役割も果たしており、水族館としても積極的に森林を大切にする働きかけをしていくことに期待します。
3月22日:世界水の日(World Water Day)
世界水の日は、世界では安全な水が入手できない事による健康被害が深刻な地域が多いことから、水の大切さ、安全な水を供給することの重要性などを啓発することを目的に、1992年に国連で決定されました。
水族館の生き物は、水がなければ生きることのできない生き物がほとんどであり、自然環境の水質に関する意識を高めるような啓発は、水族館としても大切なメッセージです。
ただし、日本では、降水量の状況によって夏場を中心に水不足が懸念されることなどから、1997年の閣議決定で毎年8月1日を「水の日」とした上で、そこから1週間を「水の週間」とするような啓発が国土交通省を中心に行われていますので、日本の水族館においてはこちらを活用しても良いかもしれませんね。
6月の記念日
6月5日:世界環境デー(World Environment Day)
世界環境デーは、広く地球の環境問題に関する意識を高めることを目的にした記念日で、日本からの提案を受けて国連で定められました。
日本でも、制定からの一定時期は6月5日を起点に、現在では6月1日からの1ヶ月間を「環境月間」としており、一定の期間をかけて環境問題への意識を高めるきっかけづくりに取り組まれています。
特定の問題に限定せず、環境問題に関する様々なテーマを対象としていますので、水族館としてもイベントなどを設計しやすい記念日としてさらなる盛り上がりが期待されます。
6月8日:世界海洋デー(World Oceans Day)
世界海洋デーは、海洋が様々な生き物の命を育むことはもちろんのこと、地球環境そのものを維持するために極めて重要な役割を果たしている海洋の大切さを伝え、その保全に向けた意識の啓発などを目的にした記念日で、1992年頃から祝われていたものが、2009年に正式に国連で決定されました。
言うまでもなく、水族館は海洋と密接な関係にあり、海洋に関する啓発をすることが特にふさわしい存在と言えます。
動物園や水族館の記念日活用は生き物に関するものが目立ちますが、世界海洋デーのような記念日も、全国の水族館で積極的に活用して情報発信して頂きたいですね。
6月22日:世界熱帯雨林の日(World Rainforest Day)
熱帯雨林の日は、地球環境にとって重要な役割を果たす熱帯雨林の大切さや保全のための啓発を目的として、2017年に国際的な森林の保護を目指す団体「レインフォレスト・パートナーシップ」が始めたとされています。
熱帯雨林は、多種多様な生き物の宝庫であると同時に、大気中の二酸化炭素を吸収するなど地球環境にも大きな影響を与える熱帯雨林が人間の経済活動などによって急速に減少してしまっています。
熱帯雨林が伐採されるのは木材の使用に限らず、様々なことが原因となっていますが、すでにコンビニのコーヒーなどでもごく身近になっている「レインフォレスト・アライアンス」マークのついた商品の選択など、その啓発・行動の方法も多様です。
水族館では、カエルなどの両生類をはじめとして、展示エリアそのものが熱帯雨林をテーマにする場合なども多く見られますので、多くの方が熱帯雨林の環境問題などを意識する機会となることを期待します。
9月の記念日
9月の最終日曜日:世界リバーデー(World Rivers Day)
世界川の日は、世界中にある「川」が果たしている様々な役割や直面している危機への警鐘を鳴らし、アクションを促すことなどを目的とした記念日で、2005年にカナダの環境保護活動家であるマーク・アンジェロ氏のリーダーシップで制定されたとされています。
水族館では、川に生息する生き物も数多く飼育・展示されており、淡水魚をメインにした水族館も少なくありません。
山の多い日本では、短く・急勾配の川が多いことが特徴と言われていますが、海に面していない県はあっても、川は必ずあり身近な存在ですので、川を意識して守りたいという気持ちを高めることは日本中で大切なことです。
なお、日本では、天の川のイメージなどから国土交通省が7月7日を「川の日」と定めていますので、日本の水族館ではこちらの日を活用するということも考えられますね。
まとめ
水族館は生き物の飼育・展示をきっかけに、人々が自然を大切にし、そこに生息する生き物を守っていく気持ちになってもらうことが使命の一つであることから、自然をテーマにした記念日とも相性が良いはずです。
また、自然に関わる記念日は、国連が制定したものが多く、国際的にもオフィシャルなイベントが多い傾向にあります。
民営の水族館はもちろん、公営の水族館などもイベントとして賛同しやすいと思いますので、積極的に活用頂きたいですね。
利用者の皆さんも、水族館が自然に関する記念日のイベントを行っている時は、ぜひご参加してくださいね!
この他にも、生き物や環境問題をテーマにした記念日は以下のリンクをご参考にしてください。
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