日本全国に様々なタイプの水族館がありますが、特に最近新しい施設利用の方法として注目されている水族館があります。
それが、廃校となった小学校(旧:室戸市椎名小学校)を「居抜き物件」として活用した「むろと廃校水族館」です
それでは早速むろと廃校水族館のご紹介を始めます!
Contents
むろと廃校水族館の見どころレビューと所要時間
3階建ての小学校の各教室などに水槽を展示している水族館で、所要時間は1時間〜1時間半程度です。
それぞれの教室でのコンテンツを楽しんだり、写真などを撮りながらゆったりと楽しむ場合には、2時間近く過ごせます。特にお子様が楽しめるアクティビティがたくさんあります!
むろと廃校水族館の概要・基本情報
むろと廃校水族館は、その名の通り廃校となった学校をリノベーションして水族館となりました。
そのため、館内には学校の名残を感じるような仕掛けがたくさんあります。
建物だけでなく、生徒の机なども水槽を置く土台として活用されています。
各エリアにも「教室」が使われており、廊下を歩きながら順路を進んでいきます。
教室を覗くと水槽が並んでいる様子も面白いですね。
細かなところにも様々な仕掛けがありますので、生き物を観る以外にも他の水族館には無い見どころがたくさんです。
中でも特徴的なのがプールをそのまま水槽にした「大水槽」です!
プールは普段から水を張って使う場所ではありますが、魚が泳いでいる様子を見ると何とも不思議な気分です。
他にも、跳び箱をくり抜いた水槽があったり。
キッズルームになっている音楽室では、懐かしい楽器で遊ぶこともできます。
身長計や視力検査などに触ることもできるので、ぜひご家族や友達と楽しんでみてくださいね。
このように学校の構造を上手に活用した水族館ではありますが、通常の水槽展示にも見どころはたくさんあります。
円柱型のボラ水槽ではエサやりなども体験することができますよ。
高知では食べることも珍しくないウツボも、様々な種類を観ることができます。
中でも特にインパクトの強いメッセージ性のある展示が、この「あたらしい海の仲間たち」のエリアです。
柔らかいネーミングとは裏腹に、海の環境問題として代表されるプラスチックゴミを紹介する水槽で、自然界で生き物たちを苦しめるビニール袋や釣り具などが「展示」されています。
楽しむだけでなく、水族館を通じて生物や環境の問題を考え、行動するきっかけにたいですね。
むろと廃校水族館の見どころポイント
むろと廃校水族館の見どころポイントを3つの視点でご紹介します。
- 見どころその1:学校の構造がそのまま水族館の展示に!
- 見どころその2:備品や装飾も活用して独特な空間に
- 見どころその3:生き物の魅力を伝える解説で自然を大切に
見どころその1:学校の構造がそのまま水族館の展示に!
むろと廃校水族館は、建物だけでなく全体的に学校の構造が活かされた水族館となっています。
一部の教室では、まさに小学校の教室そのものが再現されています!
自由に椅子に座ることもできるので、大人のお客さんにとっては非常に懐かしい気持ちになるのではないでしょうか。
また、理科室なども構造はそのままに水族館のエリアとして生まれ変わっています。
理科室特有の分厚い天板の机に、手洗い場が水槽になっているのはまさにアイディア勝ちですね。
理科準備室にも標本などが集められていますが、理科準備室は元々こんな雰囲気だったかもしれませんね。
手洗い水道が「タッチプール」になっているところも非常に目を惹きます。
もちろん図書館にも入ることができます。
海や川の生き物に関する本、生物学や地学に関する本など、本の内容はガラッと水族館向けになっていますのでぜひ本のタイトルなども覗いてみてくださいね。
音楽室はキッズルームになっていて、ここでは楽器に触れることもできます。
小学校に入学前の小さなお子様でも楽しめる空間となっていますのでぜひ併せてご利用ください。
最後に、むろと廃校水族館を象徴する代表的な展示が、この25mプールを使った「大水槽」です!
プールの構造はそのままに、魚が泳ぐ水槽として活用されています。
慣れ親しんだプールにサメが泳いでいる姿がとても斬新です。
ウミガメの産卵地としても知られる室戸ですので、ウミガメの展示が充実しています。
ウミガメたちが顔を出してプールで息継ぎする様子などをぜひご覧になってください!
見どころその2:備品や装飾も活用して独特な空間に
むろと水族館では、学校で使われるものは余すことなく活用しています。
教室の机にも水槽を並べて圧巻の景色を生み出しています。
水槽に限らず、至るところで懐かしい道具が装飾として使われている様子が楽しめます。
理科室の骨格標本も案内人として活躍中です。
保健室に置かれていたときは面白みも何も無かった身長計や座高計ですが、こうして水族館のコンテンツとして置かれているとついやってみたくなりますね。
こうした懐かしさは大人だけで、現役小学生のお子様にとっては休日にまで教室を観たくない・・と思うかもしれません。。
しかし、例えばこちらのAEDの格納箱は、見た目はそのままですが、よく見ると中に魚が泳いでいます!
機器の更新で格納箱に入らなくなってしまったため、有効活用を考えたそうですよ。
また、廊下に置かれた跳び箱には水槽が埋め込まれています。
このように、学校の備品や装飾が水族館の仕様になっているのは学校で観ることはできず、斬新で面白いのではないでしょうか。
屋外には、体育で使う「ハードル」が駐輪場の鍵を括り付ける場所として使われているなど、抜け目のない細かな工夫が光ります。
紹介しきれていない装飾もたくさんありますので、ぜひ探しながら楽しんでみてください!
見どころその3:生き物の魅力を伝える解説で自然を大切に
水族館では、生き物に関する情報などを伝えるパネルが水槽付近に設置されていることが一般的ですが、むろと廃校水族館でも様々な解説を観ることができます。
学校らしい黒板風のパネルには、親しみやすい言葉で分かりやすく説明が書かれています。
全ての生き物が対象ではありませんが、こうして標本となった経過などが書かれているとイメージしやすいですね。
また、室戸ではウミガメの保護活動などが活発なこともあり、ウミガメに関する解説は至るところで観ることができます。
例えば、陸に生息するカメとの身体の違いや素朴な疑問などを学ぶことができます。
水族館では綺麗な甲羅のウミガメしか観ることがありませんが、ウミガメの背中にもフジツボなどが付着し、状況に応じて動くこともあるなど、一般的にはあまり知られていない学びがあります。
標本や剥製も様々なものがあり、そのかっこいい名前から有名になったリュウウグウノツカイなども観られます。
むろと廃校水族館を運営する法人はウミガメの調査を長年されてきましたが、ウミガメ以外の生物も含めた多数の標本が展示されています。
漁師さんが多く住む地域なので、過去に外国などから持ち込まれたものも多いんですね。
しかし、やはりウミガメの剥製が最も充実しており、こうして比較するとその違いなども分かりやすいですね。
このように様々な学びのあるむろと廃校水族館ですが、最も印象的な学びは、この「あたらしい海の仲間たち」かもしれません。
どんな仲間たちかと観察するとビックリ!海に捨てられ、漂ったプラスチックゴミなどで傷ついた生き物たちの写真が紹介されています。
やはり写真だけでなく、実際に水槽の中でゴミが漂う姿を観ると、環境汚染の問題がぐっとリアルで身近なものに感じられます。
地球環境を守り、生き物たちを守ることの大切さに改めて気付かせてくれるむろと廃校水族館は、子どもにとっても大人にとっても大事な「学校」ですね。
むろと廃校水族館のグッズとお土産
むろと廃校水族館のギフトショップは、建物に入ってすぐ、出入り口の付近にあります。
展示が始まる前にあり、順路を進むと入口とは別のところから出るため、グッズを購入する場合にはお忘れないようにご留意ください。
ウミガメの甲羅を背負っているようなデザインで、ちょっとおしゃれなシャツなどが並んでいます。
それほどたくさんの種類の商品があるわけでは無いのですが、色々なグッズがセットになった「おみやげBOX」など素敵な商品をぜひご覧ください!
むろと廃校水族館のレストラン
むろと廃校水族館には、併設する飲食店・レストランがありません。
また、周辺にもあまり飲食できる場所がありませんのでお食事を予定している場合にはご留意ください。
なお、県道202号線を車で10分程度上ったところには飲食店が多数ありますのでぜひ覗いてみてくださいね。
むろと廃校水族館の入館料とお得な割引情報
むろと廃校水族館の入館料金は下記の通りとなっています。
- 一般(高校生以上):600円
- 子供(小・中学生):300円
- 小学生未満:無料
かなりリーズナブルな価格設定になっていますが、室戸市民の方はさらに割引があるため室戸に在住の方は受付でお声掛けください。
(1)年間パスポート
むろと廃校水族館では年間パスポートはありません。
パスポートを発行する際に必要な個人情報の管理などにかかる手間やコストを抑えて、より良い飼育や展示のために力を入れたいという想いがあるそうです。
そもそもの価格がリーズナブルですので、ぜひ繰り返しご利用ください!
(2)団体割引
館内は広々としているわけではないため、団体利用の場合には個別相談が必要です。
団体で急に押しかけるのではなく、事前にお問い合わせしてくださいね。
むろと廃校水族館の営業時間と休館日
むろと廃校水族館の基本的な営業時間は季節によって以下の通りです。
- 春夏(4~9月):9時00分〜18時00分
- 秋冬(10~3月):9時00分〜17時00分
年中無休となっていますが、お出かけの際には、念のため事前に公式SNSなどを確認することをオススメします。
むろと廃校水族館のアクセスと駐車場
むろと廃校水族館は、高知空港からも1時間半程度かかるため、決してアクセスが良いわけではありません。
しかし、ひたすらほぼ一本道なので車の運転はとても分かりやすいです。
そのため、多くの観光客などが押し寄せる水族館となっています。
なお、長時間の運転は苦手という方は、高知東部交通バス・安芸甲浦線で「むろと廃校水族館前」を利用されると入口のすぐ目の前まで到達することができます(以前は国道沿いから歩く必要がありましたが2022年に停留所が変更となりました)。
まとめ
学校の構造や備品を上手に活用し、他の水族館には無い独自の魅力を発揮するむろと廃校水族館。
面白いだけでなく、生き物や環境のことを考えさせられるという意味で「学校」らしさもあります。
最初から最後まで工夫でいっぱいの水族館ですので、ぜひ足を運んでみてください!
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